白昼夢っていうのかな。
いまだあの森に行くと、ふと、
睦月が居るかのような錯覚に陥る。
睦月が倒れていた場所は、
いつもオレ達が話していた場所だった。
森の中には大きな岩があって。
ガキのころよくそこで話をした。
友達で、親友で、従兄弟だった睦月。
出会ったのは森の中だった。
だからその森でずっと考える。
どうして睦月は独りで死んだんだろう。
睦月がお守りを握っていたのは。
ただ苦しかったんじゃなく、
何か意味があったのかもしれない。
そんなことを考え。
決まって有名な言葉が頭に浮かぶ。
「人はどんなモノにも理由をつけたがる」と。
睦月が死んでからオレは何もしていない。
電話やメールを無視して、ただぼーっと、
暗い森で意味のない毎日を過ごしている。
そういや大学のテスト、受けなかったな。
そんなことを今ごろになって気づいた。
オレはいつも、終わってから気づくんだ。
携帯を見ると学校の人から連絡があった。
電話も取ってて、メールも返していた。
なのに、そんな記憶はまったくなかった。
葬儀の日。
親戚が言っていた。
オレのせいで睦月が死んだと。
お前が睦月を置いて学校に通うから。
だから睦月は死んだんだよって。
嗤いながら言っていた。
まだはっきりとは思い出せないけど。
確かに、そう言われた気がする。
その時、
横にいた従兄弟が何か励ましてくれたけど、
もう、何も訊こえなかった。
ただ、ガラガラと、
緩緩と廻る音が訊こえて、
暗いモノが溢れてきたのを憶えてる。
どうすればいいかな。
本気で人を殺しそうになった。
従兄弟が止めなかったら殺してた。
怪我をさせてしまった。
感触がまだ残る。
もうダメだ。
暗いモノが収まらない。
わけがわからない。
どうすればいい。
どうしてこうなったんだ。
わけがわからない。
もうダメだ。
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