親戚の言葉がホントウなら、
睦月は、オレを恨んでるかも知れない。
それが。死ぬことよりもすごく、怖い。
七年前。悠が死んだとき。
睦月は言った。
独りで生きていける。
独りがいいと、そう言った。
だからオレは、
睦月が一人でがんばるのなら。
それの邪魔をしちゃいけないと。
逢いたいのをずっとがまんして。
必死に自分の世界を作ろうとした。
その時に、約束をした。
悠は死んでしまったけど、
二十歳までがんばって生きてみよう、
だけどもし死ぬときは、
独りで死なず、一緒に死のう、と。
それからオレ達は二十歳になった。
だから一応、約束は果たしたのかもしれない。
だけどオレはさ、ずっと隠していたんだけど、
学校を卒業したら高校の時に作ったコネでさ、
田舎の会社に入社して、小さな家が借りれて、
そこでお前と一緒に住むつもりだったんだよ。
お前は働けないから、オレが働いて。
お前は畑か何かを弄ってればいいとか、
バカみたいなことを思ってたんだ。
たとえ裕福じゃなくとものんびりと、
ゆっくりと生きていけると思ってた。
死ぬときは一緒に死ぬって約束は、
二十歳で反古だったのかな?
あれは一生モノだとオレは思ってたんだ。
それをあっさり捨てるなんてさ。
まぁ。お前らしいといえばお前らしいけど。
なんだかやっぱ寂しいよ。
なぁ、睦月。 ひとつ訊きたいんだ。
今どんな気分? やっと死ねたんだ。
安らかな気分かな? もしもさ、
もしもオレが死んだとしたら
逢えるかな?
逢って、くれるかな?
約束はさ。オレにとって枷だったんだ。
死を束縛する、希望の枷だったんだ。
あいつが言ったように、
オレがお前を殺したのだとしたら、
お前はオレを恨んでるかな?
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