それは善意を通り越して。
悲しみすら抱く手紙。
オレは死のうと思ったとき。
貯金を全額下ろし。
ユニセフに寄付をした。
死ぬ前の贖罪というか、
なんか、そんな感じの寄付。
オレは金を溜め込んでいたから。
そこそこあった。
それを全額。思い切っての寄付。
銀行の人すげーびっくりしてて。
オレに何度も確認を取ってきて。
ちょっと笑った。
オレはあの時それでいいと思った。
死ぬと思っていたから。
金なんかいらないと。
なのにいまこうして生きていて、
あの時のことを思い出すと、
正直もったいなかったな。と。
せこいことを考える。
[あの金があったら新車が買えた。]
今はそれだけをただ。悔やむ。
まぁ、あれだ、
何故今さらこんなことを書くのかというと、
今日、寄付を催促する手紙が来たからだ。
丁寧に寄付を促すような文章がスラスラと。
善意を押し付けるような、そんな内容。
現地の人がどうなったかは微塵も書いてなくて。
要約すると、振り込め、とだけ。
オレはそれを見て、なんだかなぁと思った。
善意ってなんだろうね。
要求されて行うことも善意かな?
オレはあの催促の手紙さ。
脅迫文にしか見えなかったんだよ。
金を振り込まないと人が死ぬぞって。
そんな風にしか見えなかった。
オレの貯金。
少しは現地の人の役に立ったのかな?
ユニセフの手紙を脅迫文だと思う俺と。
無理やり善意を押し付けようとする手紙。
いったいどっちが狂っているのだろうね。
善意も悪意もどうでもいい。
ただ知らない貴方の声だけ。訊きたかった。
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