手ごたえの無い砂で。貴方を埋めた。
昔は。死んでしまった後。
自分という存在が無くなるのが怖かった。
今も十分怖いけど。その反面救いと思える。
死んでまで昔の記憶に囚われるのは嫌だから。
もう。あんな痛みは。味わいたくないから。
だから。死んで存在が無くなるのは。
ある意味。いいことなのかもしれない。
今は。また。やばいんだと思う。
彼女と別れたのは準備だったのかと。
そんなことを思って笑った。
今は家に居るのも辛くて。外に行く。
深夜。小さな橋の。手すりの上に立った。
その手すりは少し太くて。斜め向いてて。
下は車が通ってて。
飛べるかと思ったけど。怖かった。
上から見えた自分の車に。また乗り込む。
ホント。あんな所で死んだら迷惑だよな。
でも。生きてても。何してても辛いんだ。
このまま生きてても。どんどん曖昧で。
何も見えないんだ。何も無いんだ。
課長から。夢はあるのかと聞かれたけど。
何も思いつかなかった。何も無かった。
もう何も。見えなくなってしまった。
時間旅行ってさ。何処に行くんだろう。
こうやって記憶が飛び飛びで。旅行すんの?
どうなんだろう。もし時間旅行をするなら。
オレはいったい。何処へ行くんだろう。
心臓というか。肺が。ジワジワする。
なんとなく。呼吸が早くなる。
8月1日に居なくなった睦月。
区切りが好きなのは。昔のままで。
睦月らしくて。少し嬉しかった。
8月1日は従兄弟が帰ってきてくれる。
睦月はお墓に入ってないから。
一緒にあの森で参ってやろうと。
そんなことを言ってくれた。
8月1日。俺はどんなことを思うだろう。
君は。赦してくれるだろうか?
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