metempsychosis

2 0 0 7. 0 8 / 0 3 森と崖とアダルトチルド。






全部が。去年のできごとだったんだ。

なんかすっげー嘘みたいで。夢みたいだ。












昔。20歳という年齢は特別だった。

成人すれば無条件で大人になって。

昔のことなんか全て忘れて。

新しくなれると。そう思ってた。

大人になれば大人になれるなんて。

そんなこと。あるわけないのに。














田舎に帰り。

8ヶ月ぶりに会った従兄弟は眩しかった。

もう全然、外見も中身も大人になってて。

お祭りも仕切って。カッコよかった。

ちょっと羨ましいと。思ってしまった。

奴は立派に「大人」になってて。

当然である些細な事実が。羨ましかった。














赦してくれるとか。くれないとか。

いくら考えても答えは出ない。

森に行って。何も無くて。

何をしてても睦月は居なくて。

謝っても。話掛けても意味はなくて。

睦月や悠には悪いんだけど。

お参りしても君達を感じなかったよ。

夜。盆踊りを見てて思った。

何も無いんだなって。俺は感じた。

盆踊りは死んだ人が踊るんだったよな。

お面を被って戻ってくるんだったよな。

あの田舎では海が満ちる満月の日に。

小さな。小さな。祭りが開かれて。

他のどこよりも儀式ばってたのに。

ずっと。見てたのに。違ったんだ。

あの場所にはもう。何も無かった。
















「人は死んだら水になる。」

「水になって永遠に廻る。」

「だから俺は墓には入らない。」

















一年もたったのに。

どうしてこんなに未練が残るんだろう。

こんなにも死んだ人を考えて。

ウジウジするのは俺がガキだからか?

大人になれば。

大人になれれば全て変われたのか?

ガキの記憶に囚われたりせず。

素直に生きることができたのか?

生きる意味も。

未来も見つけて。

楽しかったと思える日が来るのか?



















何度考えても悔しいんだ。

ホントウにもうすぐだったんだ。

もうすぐ生きていけるはずだった。

驚いた時の大きな目とか。

つっかえながら話す話し方とか。

なんでもすぐに信じる

バカな所とか。

声とか。行動とか。すごく大切で。

いなくなるはずが無いと思ってた。

いつかもうすぐ一緒にいて。

のんびり。生きていけると思った。















こんなことなら高校卒業して。

時間なんか空けずに一緒にいれば。

無理やりにでも一緒にいれば。

そんなことを。ただ考える。



















何度話しかけても何も無かったよ。

盆踊りは死んだ人が戻ってくるって話。

信じるなんてほんと。俺はガキだよな。

此岸屋梁落月彼岸