全部が。去年のできごとだったんだ。
なんかすっげー嘘みたいで。夢みたいだ。
昔。20歳という年齢は特別だった。
成人すれば無条件で大人になって。
昔のことなんか全て忘れて。
新しくなれると。そう思ってた。
大人になれば大人になれるなんて。
そんなこと。あるわけないのに。
田舎に帰り。
8ヶ月ぶりに会った従兄弟は眩しかった。
もう全然、外見も中身も大人になってて。
お祭りも仕切って。カッコよかった。
ちょっと羨ましいと。思ってしまった。
奴は立派に「大人」になってて。
当然である些細な事実が。羨ましかった。
赦してくれるとか。くれないとか。
いくら考えても答えは出ない。
森に行って。何も無くて。
何をしてても睦月は居なくて。
謝っても。話掛けても意味はなくて。
睦月や悠には悪いんだけど。
お参りしても君達を感じなかったよ。
夜。盆踊りを見てて思った。
何も無いんだなって。俺は感じた。
盆踊りは死んだ人が踊るんだったよな。
お面を被って戻ってくるんだったよな。
あの田舎では海が満ちる満月の日に。
小さな。小さな。祭りが開かれて。
他のどこよりも儀式ばってたのに。
ずっと。見てたのに。違ったんだ。
あの場所にはもう。何も無かった。
「人は死んだら水になる。」
「水になって永遠に廻る。」
「だから俺は墓には入らない。」
一年もたったのに。
どうしてこんなに未練が残るんだろう。
こんなにも死んだ人を考えて。
ウジウジするのは俺がガキだからか?
大人になれば。
大人になれれば全て変われたのか?
ガキの記憶に囚われたりせず。
素直に生きることができたのか?
生きる意味も。
未来も見つけて。
楽しかったと思える日が来るのか?
何度考えても悔しいんだ。
ホントウにもうすぐだったんだ。
もうすぐ生きていけるはずだった。
驚いた時の大きな目とか。
つっかえながら話す話し方とか。
なんでもすぐに信じる
バカな所とか。
声とか。行動とか。すごく大切で。
いなくなるはずが無いと思ってた。
いつかもうすぐ一緒にいて。
のんびり。生きていけると思った。
こんなことなら高校卒業して。
時間なんか空けずに一緒にいれば。
無理やりにでも一緒にいれば。
そんなことを。ただ考える。
何度話しかけても何も無かったよ。
盆踊りは死んだ人が戻ってくるって話。
信じるなんてほんと。俺はガキだよな。
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