それだけを憶えていられたら、
オレは生きたまま死ねるのに。
星が、きれいだった。
雲であまり見えなかったけど。
雲の隙間から、ちらほらと、
たまに見える星がキレイだった。
職場の人たちとふたご座流星群を見に行った。
職場の兄さんは彼女と別れて落ち込んでて、
課長は、なんかあったらしくグチが凄くて、
受付の人もバイトの人も、
恋人のいない人ばかりが集まった。
山をみんなで登っている時、
オレは、なんか集団自殺みたいだな、と。
そんなことを心の中で思っていたら、
「俺たち集団自殺でもするんでしたっけ?」と。
兄さんが同じことを言ったから、笑った。
天候はよくなかった。
だから星は見えないと思った。
でもみんなでずっと空を見上げてて、
首が痛くなるぐらい見上げてて、
不意に、雲が消えて星が流れた。
ほんとうにいきなり、星が見えた。
オレは茫然と流れていく星を、
ただ、見上げていた。
圧倒されたというか、
ほんとうにただ茫然と眺めていた。
そこで兄さんが隣で何か唱えてて、
何を言っているんだろうと思ったら、
聞こえてきたのはただの早口言葉で、
それなんか違う、と。思わずつっこんだ。
かえるぴょこぴょこって、、、、
願い事じゃないよ? それ。
それから、またすぐに雲が出て、
星はそこそこにしか見えなかったけど、
ほんの数分間の星は最高だった。
すごく、興奮して、いまもまだ、
なんかゆっくりと時間が流れてて。
とにかくほんとうに、最高だった。
みんなで行けて。楽しかった。
すげー楽しかった。
あーーー。めっちゃ楽しかった。
キレイで。ウソみたいで。
生きててよかったって、今日。
そう思った。
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