嫌気が差すんです。自分自身に。
吐き気がするんです。この醜悪な生き物に。
12月28日
職場の兄さんが初詣に誘ってくれた。
「オレ彼女にフラれちゃったけどさ」
「ほら、初詣には行きたいだろ?」
「だから初詣、一緒に行かない?」
そんな言葉で、初詣に誘われた。
「男二人で初詣は痛いよ、」
オレはそう言ってやんわり断った。
誘ってくれたのは嬉しかったけど
初詣には行きたくなかったから。
人の多い幸せな場所になんて絶対、
絶対に近づきたくなかったから。
すると
「じゃあ私も行く」
「三人なら痛くないでしょ、」と。
受付の人が名乗り出た。
「おう、なら三人で祈りを捧げようぜ。」
「そして召還獣を呼び寄せるんだ!!」
そんなことを笑いながら兄さんに言われて、
オレは拒むことができなくなった。
楽しいかもしれない、そう思ったのと、
好かれるように振る舞いなさい、
そんな声が聞こえた気がしたから。
1月1日
初詣に来ている人は多かった。
夜中の三時なのに人は多くて、
やっぱりオレは気分が悪くなった。
人酔いというか、なんというか、
楽しそうなすべてが嫌で、
二人の話を聞くフリをしながら、
ただ、曖昧に嗤っていたのを覚えている。
そして、賽銭箱に向かって目を瞑り、
いやしない神に手を合わせたとき、、
ふと、訊こえた。
「今のお前はダレなんだ?」って。
それから兄さんが騒いでて、
ハッとして意識が戻った。
ガランガラン鈴を鳴らして、
バハムート!!バハムート!!
私はユウナよ。って。
もう、ほんとうにバカことを言っていて、
すごく、それが可笑しくて、
笑って、俺も一緒になって叫んだ。
受付の人は、他人のふりをしていた。
受付の人に散々文句を言われた。
すごく恥ずかしかったと。
オレと兄さんは謝って、
なんか呪いの人形みたいな、
不細工なキーホルダーをプレゼントした。
いらない、気味悪い。
そう受付の人は言っていたけど、
なんだかんだでそれを携帯に付けてくれた。
付けてくれた時、
あーあ。呪われちゃった。
兄さんがそう笑って、殴られて。
そこでお開きになった。
始発に乗った時、携帯が鳴った。
携帯を見ると何通かメールが来てて、
専門学校の人や、地元の人、
先輩からも連絡が来ていて、
オレは全部のメールを開こうと思ったけど、
職場の人のメールだけを開いた。
今日は楽しかったな。
そろそろ家についたか?と。
メールにはそう書いてあった。
別れてから15分後に来たメール。
そんな短時間で家に着く筈は無かったけど。
オレは、超余裕、と。送った。
一時間後、家に帰り着き、
冷蔵庫を開けて、水を飲んだ。
庭で尻尾を振ってくれる犬に餌をやって、
それから門をでて、散歩をした。
朝霧が立ち込める中、
ぼーっとしながらも、
すれ違った人に挨拶をした。
そして今から森に行く。
あの、暗い森に。
約束だから。
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