その光景は言葉にならない心の悲鳴。
家の中が荒れていた。
またか。オレはそう思った。
オレはいま実家にいる。
親が嫌いなくせに実家に住んでる。
親はほとんど家に帰らないから。
まぁ、いっか。
そんな考えから。犬と一緒に。
ヒステリックな母親。
それが帰ってきたとき、
家は決まって荒らされている。
床にはいろんな残骸が散らばり、
食器なども割られている。
ひどい時は電化製品も壊され、
鏡すらボロボロになっている。
母親はすぐ物に当たるから。
だから家の中はぐちゃぐちゃ。
今日は足の踏み場も無くて。
靴を履いたままリビングに上がる。
そして椅子に座り、
ただぼーっと家の惨状を見ていると、
その荒れ果てた家がまるで母親の心を、
狂った心の中を現しているかのようで、
少し怖くなった。
あの人にとって子供は価値が無くて。
愛なんて物は持ち合わせていなかった。
金持ちだった父親と結婚して。
毎日違う男と遊んで。金を取って。
またその金で遊びまくって。
たまに帰っては家を荒らす。
狂ったように、それの繰り返し。
俺たちはいつから狂ったんだろう。
母親はいつ狂ったんだろう。
生まれた時から狂ってたのかな?
それとも後から狂ったのかな?
オレの子供ができたときは、
オレの子供も狂うのかな?
その次はどうなるんだろう?
またその次はどうなるんだろう?
その次も、その次も、
代々、狂っていくのかな?
あーあー。
家グシャグシャだ。
心もグシャグシャ。
何があったら笑えたかな。
何があれば。
満足して笑えたんだろう。
俺たちはどうすれば
この闇から抜け出せるのだろう。
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