metempsychosis

2 0 0 7. 0 4 / 2 4 自分だけのロンリー狼。




君はまるで恐れを知らぬ狼ようで。









配属されてきた人が課長に怒鳴られていた。

「もうやめてしまえ」と。

それを聞いたその人は。

課長を罵りながら仕事を辞めた。








怒鳴られた人はダラけていた。

よく遅刻もしたし仕事も適当だった。

だから今回辞めさせられたのは、

まぁ当然だったと思う。

なのに彼は辞める間際にも悪態を吐いて、

自分はまったく悪くないと言っていた。

小さいことばかりうるさくて最低だと。

その言葉を聞いたときオレは、

何故だかすごいと、そう思った。











オレは遅刻をしないよう心がけている。

それは社会人としての当然の行為と言うより、

どこか強迫観念のような、そんな感じ。

遅刻で評価を下げられるのが嫌だから。

遅刻で迷惑を掛けるのが嫌だから、

遅刻なんかでクビになるのも嫌だから。

だからそんな理由から遅刻をしないようにと。

まるで人からの評価に怯えるように。

いつも時間を守っている。













それに比べあの人はあっさり遅刻した。

人の評価なんて気にも留めていなかった。

そして辞める間際までオレは悪くないと。

そんなことを言ってのけた。

きっとあの人の中には「自分」しかいなくて、

どんなことでも己を正当化できるのだと思う。

人に嫌われるのも恐れないほどの「自分」。

それはある意味、別の強さだとオレは思った。

人の評価を気にすることもない、強い人間だと。









そんなことを職場の兄さんに言うと笑われた。

そんな強さならオレはいらないな。

会社辞めさせられたら元も子もないし。

そういえばそうですよね。

オレはその場では納得したフリをしたけど

それでもどこか納得できずにいた。

あんな人間は確かに「社会」ではお荷物だけど。

他人の評価など気にせず生きてけるあの人は、

「人」としては完璧なんじゃないか。

そんなことを思えたから。














他の人はどう思うんだろう。

人の評価を気にしながら一生を過ごすのと。

たとえ人に必要とされなくても、

人の評価など気にせず一生を過ごせるのは。

いったいどっちが幸せだと思うのだろう。











それはまるで狼のよう。

一人で孤独に生きてゆく。

強い狼。

此岸屋梁落月彼岸