metempsychosis

2 0 0 7. 0 5 / 2 1 仄かに光る小さなモノ。





自分が自分でいることをやめられたら、どんなに楽だろう。










こうしてぼーっと生きていると、

死ぬことは生きることより気力がいると、

そんなことに気づかされる。

仕事をして。サイトに書き込んだり。

彼女と会って。適当に映画を見たり。

最近は義兄と一緒に夕飯をとる。

夜中は、ぼーっと散歩をして時間を潰す。

別に不満と言うものも其処まで無いけど。

満足感と言うものも感じられない。











散歩をしていると蛍が一匹、道路で光っていた。

水場からも少し離れた、道の真ん中。

その蛍は飛ぶことも無く、弱く光っていた。

きっともう、動くことも出来ないのだろう。

俺はその蛍をぼーっと。眺めていた。

だんだん光らなくなってゆく光を。ただ。










廻りでは元気な蛍が飛び、強く光っている。

その一方で弱り、苦しそうな光があった。

その光の差は決定的で、とても嫌な差だった。

なんだか自分の事のように弱った蛍を見ていた。

そして案の定、その蛍は死んでいった。

まったく光らず、動くことも無くなった。

苦しんで死んだのかどうかはわからない。

ただ、俺以外の誰にも知られず死んでいった。












ダレの心にも残らず仄かに消えていく命。

きっと俺も。あの蛍といっしょだ。

未来なんて存在せず、ただ仄かに光りつつ、

消えてゆくのを待つだけの存在。

俺が死ぬ時はダレか見ててくれるだろうか?

ダレか死んだ後も、覚えててくれるだろうか?













睦月や悠のことは俺が覚えている。

でも俺のことはダレが覚えてくれる?

ダレも、いないよ?

ねぇ。 其処に俺はいないんだよ。

























嫌だ。すごく。嫌。だ。

此岸屋梁落月彼岸